貴女に捧げる夜
『卒業おめでとう』



お互い言い合って、笑ってみる。



ふと、いつもと違う雰囲気を感じ彼女を見ると
思いっきり目が合って…



いつも、視線が合うとすぐに逸らす恥ずかしがり屋な彼女が
真っ直ぐに僕を見つめていた。



急に照れてしまい、僕の方から視線を逸らそうとしたのだけど、
僕を見つめる視線が、あまりに真っ直ぐで真剣で…



僕らが見つめ合って、どれくらいの時間が過ぎたんだろう。
実際には1分もたってないのかも知れない。



けれど、この時の僕には
まるで時間が止まっているかのように感じた。



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