貴女に捧げる夜
残りの夏休み。



僕達は、ほぼ毎日のように
会っていた。



お互い家で一人になる時間帯はなく、だからといって、バイトをしていない僕の月のお小遣いだけじゃ、ホテルに行くことも出来ず…



彼女は



”別に、家族いてもいいじゃん”



なんて軽く言ってたけど、
僕はいまいち
そんな気分になれなかった。



声が聞こえるんじゃないか…



とか



もしバレたら…



なんて想像してしまうから。



”初めてHすると、そればっかになるのに、リョータは変わってるよね”



彼女の言葉に僕は


”一緒に居ると、それだけで楽しくない?”



と返す。



彼女は嬉しそうな顔をしながらも



”変なの”



と、口を尖らせた。



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