貴女に捧げる夜
しゃがみこんだ状態だというのに
まだ足は震えている。



『リョータぁ…』



涙を浮かべた瞳で僕を見上げる。



『大丈夫?』
『う…ん…
まだ足がガクガクしてる…』



すぐに彼女の腰を支えて
抱き起こしたもの、
立っていられる状態ではなく、
埃っぽい床に彼女を座らせるわけにもいかない。



僕がその場に座り、
彼女を上に向き合う形で膝に乗せた。



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