貴女に捧げる夜
あ、彼女が泣きそうだ。
いやだな。
彼女の泣き顔なんて見たくない。



何か言わなきゃ。



彼女を傷つけない言葉を必死に探す僕の顔は、
きっと彼女よりも
泣き出しそうだったに違いない。



『あ…また明日ね』



笑顔を作る。
なるべく引きつらないように…



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