貴女に捧げる夜
次の日の朝。



僕は、彼女の家に迎えに行ってもいいものか…迷っていた。



いきなり行かないのも変だな。と
足取りも重く、彼女の家へ向う。



チャイムを鳴らすと、丁度彼女の母親が仕事に出ていくところだった。



『リョータくん、おはよう。
あの子、起きてこないの。
引っ張りだして学校連れていってあげて』



冗談っぽく笑う。
彼女は母親似だろう。
特に笑顔がよく似ている。


僕を玄関に通して、慌ただしく家を出ていった。



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