\君と青空/
「おめぇは…」
「ん?」
「おめぇは、何してたんだよ」
美亜が尋ねてきたことを
俺も尋ねた。
美亜は少し間をおいて
ごろんと、地べたに寝転んだ。
「空…。空みてた。
こんな綺麗な空、めったに見れないからさ」
手を空に伸ばした美亜は
またあの表情を浮かべる。
辛そうで悲しそうな…。
でもすぐにいつもの美亜に戻るんだ。
いや、今は…。
無理やり戻してる感じがしてならねぇ。
「…そろそろ帰ろうかな」
そういった美亜は勢いよく立ち上がり
すぐそばにおいてあったバッグを持ち
俺のほうへ向かって歩いてくる。
「じゃあね、先輩!!」
にっこり笑った美亜。
でも俺には…。
無理して笑ってるようにしか見えなくて。
…心が痛かった。
なんでかわかんねえけど…。
心が痛んだ。
扉が閉まる音が聞こえ
俺は美亜の後を追うように
勢いよくドアを開け階段を下りていく美亜を
呼び止めた。