\君と青空/
「待てよ!!」
俺が引き止めれば
美亜は下りていく足を止めた。
「送ってく」
「え、いいよ。ひとりで帰れるし!」
「いいから」
「大丈夫だって!!」
「いいから送るっつってんだろ!!」
「!!」
「あ、わりぃ…」
少し怒り気味にいった俺に
少し怒鳴った俺に。
美亜はビクッと肩をあげた。
何キレてんだよ俺。
キレるとこじゃねぇだろ。
なのに美亜は…
「じゃあお願いしようかな」
なんて優しそうに微笑んで。
俺、どうしちまったんだよ。
ただ、放っておけなくて。
あんな顔をしてたコイツを…
放っておけなくて。
今までこんなことなかったのに。
女なんてピーピー泣く生き物だろ。
なのにコイツは…。
…ほかの女みたいに泣けばいいのに。
まるで泣くことを知らない子供みたいで。
それが逆に…
心配だったんだ。