\君と青空/
それは俺が美亜と出会って
初めてみた涙。
俺はそっと立ち上がり
美亜の目の前に腰を下ろした。
「馬鹿。…我慢して泣くんじゃねぇよ」
そういい、親指の胎で
優しく涙を拭った。
俺の言葉が届けばこらえきれなくなったのか
勢いよく俺に飛びついてきた美亜。
俺はそれを精一杯受け止めた。
声を出して泣きじゃくる美亜は
まるで小さな子供みたいで。
美亜が泣き止むまで
ずっとずっと抱きしめてた。
小さい体を…
震えてるこの小さな体を…。
ずっとずっと抱きしめてた。
数分たっただろうか。
美亜はゆっくり俺から離れ
「先輩、ありがと」
そう、いつもの笑顔で
にっこり笑ったあの顔で
俺に告げた。
「目、真っ赤だぞ?」
ぷっと笑う俺をみてか
美亜が小さく怒る。
「馬鹿!!今そんなこといわなくてもいいじゃん!!」
「馬鹿に馬鹿っていわれたくねぇ~よ」
「ムキー!!!」
ぽこぽこ俺を殴る美亜が
このときはとてもかわいらしく見えた。