\君と青空/
「後、北川が。すまねぇって
伝えてくれって」
その先公の言葉をきいた美亜は
驚いた顔をした後に
すぐに微笑んだ。
「いいパンチでしたって
いっておいて!!」
「…ははっ。…伝えておく。
とりあえずお前今日は帰れ。
学校おりづらいだろう」
「え、別に平気だし」
「でもなぁ…」
先公が考えると美亜は
何かを思いついたように
"あっ"と声を零す。
「じゃあ、屋上いっていい?
翔先輩も一緒にさ」
って、俺もかよ!!
「早崎もか~?」
「いいでしょ、いいでしょ!
お願い先生!!」
パチンと両手を合わせて頼む美亜の姿をみて
ぽりぽりと頭を掻き出した先公。
少し悩めば
「じゃあ、今日だけ、な」
「…ぃやった~~~~!!」
まるで小さなガキみたいに
飛び跳ねた美亜は
すぐに俺の手をつかみ
屋上へと足を運んだ。
小さな手で俺の手を握ってくる美亜を
心底可愛いと思っちまう。
なぁ、美亜。
お前さどういう気持ちで俺を屋上に誘ったんだ?
何で俺に言おうと思ったんだよ。
何で笑ってられたんだよ。
なぁ。
俺さ馬鹿だから
ずっと気づかなかった。
もっとはやく言ってくれてたら
もっとはやくに
お前の支えになってやれた。
もっとお前の傍にいてやれた。
ただ屋上に向かうあの時。
俺は嬉しくて
ただただ嬉しくて。
お前が何思ってんのか
考えてなかったよ。
美亜、俺がお前を守ってやる。