\君と青空/
美亜の過去
屋上へ続くドアを開ければ
生暖かい風があたしたちを包む。
きれいな青空で
日差しの強い太陽。
もうすぐ夏だってことを
物語っていた。
あたしはフェンスにもたれかかるように座ると
先輩もあたしの横に腰を下ろした。
「先輩。…誘っちゃってごめんね」
「いや、いいよ。
俺、授業でたくねぇしな」
そういいながら軽く笑う先輩。
…きいてほしいんだ。
先輩に。
あたしの
過去のこと。
…ひかれるかもしんない。
…嫌われるかもしんない。
何でいおうって思ったんだろうね。
多分ねそれは…。
いつも傍にいてくれる先輩に。
きっとつらい顔してたのも
無理して笑ってるのも
気づいてたのに
何も言わなかった先輩に。
いつも心配してくれた先輩に。
恋、したからだと思う。
人前で泣いたのも初めてで。
素さえ出せた。
好きな人には、全部きいてほしい。
わかってほしい。
たとえそれが最終的に
いやな結果になってしまっても
あなたに…。
翔先輩にきいてほしいんだ。