\君と青空/
「ちゃんと走ってくださいよ~!!」
「うっせぇよ!!」
誰だよ。
この人がクールだっていったの。
クールだって思ってるの。
だってほら。
顔真っ赤にしてこっち向いて叫ぶんだよ?
こんな可愛い人、
クールなんていえる訳ない!
「ちゃんと走ったら、クッキーでもあげますよ~!!」
なんて半分からかいながらいったのに
先輩、急に真面目な顔しちゃって。
「いったな、この野郎。
んなこと言われたら走るしかねぇだろ!
てかお前いちいちうるせぇよ!
ちゃんと走るから黙ってそこでみてろ!!」
先輩はカッコよくそういうと
スタートラインにたった。
―――――ピッ。
運動会とは違って
普通の笛での合図。
本当に必死に走ってる姿が
本当に可愛いくて
思わず笑みが零れた。
走り終わった先輩の姿は
だるそうなんていえないほど
キラキラしててシャキシャキしてて。
「みたかこの野郎!」
って叫んでくる先輩に
「明日クッキー持ってきます!!」
そういったら
とても優しい笑みで返してくれた。