\君と青空/
君の笑顔(翔視点)
「はぁ~……」
でっかいため息を零した俺は
そのまま机に顔を伏せた。
昨日の体育のとき。
…あんなふうに俺にはなしかけてくる異性なんて
全然いなかったし。
てか、クッキーって…。
待てよ。
…大好物なんだよ、ちきしょ~…!!!
お返ししなきゃいけねぇじゃねぇか。
「だぁ、もう!!」
頭をガシガシ掻き乱しまたへたっと机にうつぶせる。
そんなとき。
「翔せんぱあああぁぁぁあい!!」
思わず
"きた"そう思った。
「クッキー、持ってきやした!」
「きやしたってなんだよ…」
「え、カッコいいでしょ!?」
にっこり笑ったコイツ。
…素で言ったんだな。
「てか、名前教えろよ」
「へっ?」
「不平等だろ!何でお前が俺の名前知ってて
俺がお前の名前知らねぇんだよ!」
俺がそういうと
急に細い手を俺の前へ差し出してきた。
「東城美亜。高校1年!血液型はA型。誕生日は7月7日の七夕の日。
性格は、とりあえず人見知りしなくてフレンドリーな奴です!
ちなみに趣味はクッキー作り。特技は…」
「わかったわかった。もういいって!」
「え、もういいの??」
「お前、詳しく言いすぎ。
まああれだな。美亜だな。…ん、覚えとくわ」