読書家女子との恋愛論
んで!俺苗字が片岡じゃん?んで、桐原じゃん?
席が後ろだったんだけどさ(俺の周りにいた女子は恨めしげに桐原を見てた)、桐原は分厚い本読んでてさ。
厚さが5㎝はあって、きっと、絵なんか一枚も描いてないようなやつ。
──それから、ホームルームで自己紹介(内容は名前、出身中学、趣味とか特技、一言)したんだけど
『狭山中学校出身の桐原唯です。趣味は読書です。一年間よろしくお願いします。』
その時にまじまじ顔見て、ショートカットに青縁眼鏡で、最初はただ、ガリ勉女子(本読むやつってガリ勉のイメージがする)程度にしか思ってなかった。
──まぁ、実際頭は良かった。ものすごく。
皆読めねー古文を、桐原は全文訳してあるし!漢文は漢字すら読めねーってのに、桐原はスラスラ読むし!
なんつーか、違う世界の人間だと思ってた──。