読書家女子との恋愛論
終わった直後。
桐原は(なんとも不気味な)笑顔で駆け寄ってきた米崎さんと長野さんに連行されてった。
次の日に、ちょっと桐原に聞いてみたら国語の成績と部活動紹介の時のあの態度のおかげで、即日入部だったらしい。
その時の桐原も、かわいかったなぁ……。
なんか、こう、雰囲気っていうのかな?
嬉しそうに話されると、悪い気はしないけど、何故だかモヤモヤした気分になった。
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『片岡くん?』
周りの女子の視線が俺に向いてる。
「ん、なに?」
『急に黙っちゃうから、どうかしたのかと思ったぁ』
「ううん、なんでもないよ、ごめんね?」
とびきりの笑みを浮かべて答えるとみーんな顔真っ赤にしてさ。
──かわいいけど、正直桐原ほどじゃない。猫なで声の媚びたような目じゃなくて、桐原のおどおどしたような声と、純粋な目が…………。