白虎連合最終章
「ゆいさん、」
「その顔どうしたん?」
「龍を止めたら殴られちゃいました」
「…冷やしとき」
箒を持ったまま現場まで行くと、蓮の頬は軽く腫れている。
当の本人は未だ暴れているし。
割れたガラスだらけの廊下を歩く。
パリッと乾いた音がした。
正直、龍と正式な恋人にならんでよかった。
もしなってたら先輩として動かれへん。
「龍、落ち着いて」
「落ち着いてますやん」
「…とにかく、何があってんな」
「コイツが俺を見てきたら殴ったんす」
「……………」
今までの龍ならそんなことで手を出さなかったのに。
暴れることで、現実から逃げようとしてる。
「白虎連合のルール忘れた?」
「…………」
「手を出されるまで手を出すな」
「…わかってますよ」
「ほなその掴んでる手離し」
全部。
全部。
龍の家族の愛のない行動のせいで。
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