白虎連合最終章
遠くから紫織の声がする。
きっと未だ帰らない私を探しているんだと思う。
それでも私は尚輝から目を逸らさない。
近くで見ると、やっぱり龍に似ている。
その感情の込もっていない笑みなんか特に。
「…どういう意味?」
「昨日親父に話してん、バレたって」
「だからどういう、」
「そしたら手続きとかいるし龍に会わなあかんなってなってん」
手続き?
なんの?
腕に力が入る。
冷や汗が伝った。
「留学の手続き、しなあかんやろ?」
茶髪と私の明るい髪が夕焼けで染まる。
それでも伝えられた言葉は私の息を止めた。
こんなに悲しい気持ちを。
なんて表現したらいい?
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