白虎連合最終章





突然、後ろから聞こえた声。

振り向かなくても誰か分かる。









「尚輝、」


「俺も一緒に乗るから早くしろ」


「行くわけないやろ」


「いつまでも逃げられるわけないって」


「黙れ」









瞬間、威嚇するように窓ガラスが割れた。

冷たい雨と風が入ってきて。






皆が一歩下がる。

私は外を見つめたまま。









白いリムジン。

行き先は病院、もしくは天海家。




そこに行けば龍は留学。

決められたレールの上を歩くだけ。









「龍」


「なんすか」











鼻が、ツンとする。

拳を握り涙を耐えた。














「お父さんとこ、行ってき」










.
< 179 / 331 >

この作品をシェア

pagetop