白虎連合最終章
まるで一昔前のナンパ。
それは間違いなく私に向けられていて。
「……………」
「無視しんといてやー」
「……………」
「おーい」
聞こえる声は車道から。
ということは、車の中から声を掛けているわけで。
あー、最悪。
なんでこんなにナンパされやすいんやろ。
チャラく見える?
ないない。
「おい、無視かコラ」
「……………」
「とーまれっつってんねん」
そして何故かナンパ君はキレ気味。
とことん無視を決めて歩き出しても、車も私に合わせてゆっくり走るし。
「ちょ、あの車」
「…目合わすな、殺されんぞ」
更に謎なのは、周りがざわざわと騒がしい事。
疑問に思い、横目でチラッと見る。
そこには黒のベンツがあって。
…黒塗りベンツ?
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