白虎連合最終章
「へ?」
やってしまった、と思った頃はもう遅くて。
何も音がない部屋での龍の声。
私はただ自分の発言に目を見開いて。
今度は、携帯を落とした。
何言ってんの?
絶対言ったらあかんやん。
「ちが、あの」
「家族ねー、殴るかもしれないっす」
「え?」
「俺を捨てて何目の前に現れてんねん!!!って」
殴る操作をしながら顔を上げ、笑顔を向ける龍。
その笑顔が、見れなくて。
私には龍の心の闇が分からない。
その笑顔の裏が分からない。
だから、
「殴っちゃえ」
龍の頭を撫でて。
共感するぐらいしか、出来ない。
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