CHATEAU LATOUR
どれくらいの時間(あいだ)、そんな景色を眺めていたのだろうか。



気づけば、隣で眠っていたはずの凪に後ろから抱きしめられていた。


背中に凪の温かい体温を感じる。



先に口を開いたのは、凪の方だった。



「…うで…見せて」



低く擦れた彼の声。



「…。」



私は、何も言わずにゆっくりと振り返った。



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