CHATEAU LATOUR
鳴り止まない。


どきどき。


これ以上凪の近くにいたら危険だ、と思った彩音は顔を反らしたまま言った。


「お…お腹…空いた」


「そうだね、今日は俺が作るよ」


そう言いながら凪は立ち上がると、キッチンへと向かった。


はぁー、とため息をつく彩音。


ソファーの上で体育座りになって、折り曲げた膝小僧の上に頬を押し付ける。
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