CHATEAU LATOUR
起き上がって、一度伸びをした後に、彩音はテーブルに置かれた夕食を見る。


深皿に注がれた2人分のシチューの中央に、一口大に切られたバケットと透明ガラスのボウルに盛られたサラダが並んでいた。


「いただきます」


椅子に座って、手を合わせる彩音。


「どうぞ」


凪は、少しばかり緊張した顔で、彩音が先に一口食べるのを待つ。


彩音は、シチューをスプーンで一口掬って食べる。


「…美味しい」


彩音の言葉と微笑む顔に、良かった、と返して凪も食べ始めた。

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