CHATEAU LATOUR
狂気
梅雨が明けたばかりの夜。


凪は急いでいた。



仕事でこんなに遅くなるなんて思わなかった。


時計の針は、午後11時35分を差していた。


早く帰らないと、彩音が一人で待っている。


…はずなのに、彩音の携帯に何度電話をしても繋がらなかった。


寝てるのかな…と思ったが、何だか嫌な予感がする。


焦る気持ちと不安を無理やり掻き消して、とにかく車を走らせた。


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