好きって 分かった瞬間。
どきん。

どきん って胸が動いた。

鼓動? わかんないけど

どきんって。 ゆっくり ゆっくり。


10月24日。


『えっ。はっぴ、あったの!?』

あたしは髪をコテで巻ながら
言った。

『最悪。髪巻いちゃったし、服こんなんじゃ出来ないから、着替えないとっ』

花柄のワンピースにフリルのついたショートパンツ。

今日のあたしの服装。

今日は、祭り。
家の近くの祭りなんだけど、結構、たくさんの人がくる。

だから、気合いいれて、
髪を巻いたり、ブーツを履いていこうとしてた。

けど。

『あかり、子供みこしのはっぴ、あかりのあるんだって』

電話しているお父さんが言った。
子供みこしのはっぴがないから、あたしは出ないつもりだった。

それなのに用意されてる。

あたしは急いで、

髪を2つに結び、フリルのついたショートパンツを

ジーンズにした。

『15分からスタートだよね!?。あと5分だよ』

車に乗って 急いで

集会所に行った。


『セーフっ。』

ギリギリで集会所についた。


『あかりっ!早くはっぴきて。』
『りょーかぃ』
友達の奈那子の声がした。


あたしがはっぴを着た瞬間に

子供みこしがスタートした。


『わっしょい。わっしょい。』

『6年生、もっと声大きく!』
誰か分からないおじさんに言われた。


『6年生、全員、気力なくない?』

『いえる。あたしらもないし。』

あたしが奈那子に喋りかけた。
それに対して 奈那子が言う。
『わっしょい。はいっ。終了でーす。』終了した瞬間、『あかりっ』どきん。そのとき、胸が動いたんだ。
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