気付いてよ

「話戻すけど、朋哉は嫌かも知んないけどさ、頑張ってみれば?」

「でもさ、今更俺が出来ることなんてなくね?」

奏への想いは諦められないけど、これが俺の本心だった。
好きになる資格だって無いに等しいのに。

「バーカ。そんなの自分で考えろ。他人に言われてそれを実行するだけで、好きになる資格も危うい奴が諦められないなんて言うな。」

確かに。
俺はこの時不覚にも白石のことを格好良いとか思っちゃって。
まぁ、言ったら絶対調子に乗るから口が避けても言わないけど。

「そーだよな。俺ちょっと自分で考えてみるわ。なんかホントさんきゅーな。」

「分かればよろしい。頑張れよー。」

トイレ行ってくる、そう言って白石は教室を出ていった。
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