気付いてよ

「はぁ~。分かんねーよ。」

放課後、俺は誰もいない教室で問題集と格闘してた。
格闘ってゆうか、まぁそれが互角なら格好もつくだろけど、明らかにその勝負は俺の完敗だった。

白石には笑われるし、しかも、あいつ用があるとか言って先に帰るし。
良いことないなホント。

罰が当たったのかも。

仕方ないから職員室行って、謝ってこようかな。
それでもダメなら、潔く一から先生に聞こう。

じゃなきゃ一生帰れない。
自分のアホさ加減にいい加減げんなりした俺は、重たい腰を上げて教室のドアを開けた。

教室のドアを開けて職員室に向かおうとした俺の目に飛び込んで来たのは。

奏だった。

暫く(って言っても多分10秒くらい)沈黙が続いた。

何かしゃべれよ俺。
そう思って口を突いて出たのは、

「奏、今暇?」

だった。

なんだこのチャラ男MAXみたいな発言は!
あーあ、すっげー怪訝な顔してるじゃん。

「なんで?」

ですよね。
そうなりますよね。
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