気付いてよ

良く言うだろ。

神様はその人に越えられる試練しか与えないって。

だからさ、この試練を俺は越えることが出来るんだと思う。

でもさ、やっぱり越えた先は悟るとか、気付かされたとかじゃなくてハッピーエンドがいいよなぁ。

そのためには俺はもう少し奏に見合ういい男になんないとな。

まずは内面かな。
とりあえず今から白石呼び出して慰めてもらうかな。

俺は立ち上がって深呼吸した。

冷たい空気がやけに気持ち良かった。

もう迷わない、落ち込まない。

そもそも俺には落ち込む権利はなかったんだった。

でも、もう一度振り向いて貰えるように努力をする権利はある。

俺には奏しかいないんだ。

今更都合がいいと言われればそれまでだけど、悩んだって仕方ないから。

やるだけやってみようと思う。

奏が俺に伝えてくれたみたいに、次は俺が奏に伝える番だから。
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