気付いてよ
私が溜め息をつくよりも先に真那が声を上げる。
「幸村くんも一緒じゃん!あ、と…とりあえず、教室行こっ…か?」
しまったって顔を真那は一瞬しただけだった。
気遣わせてごめんね、と私は心の中で呟いた。
「うん。」
吐くタイミングを逃した溜め息は私の中のモヤモヤと一緒に滞ってしまった。
教室までは朋に遇うことなくたどり着いた。
まぁ、遅かれ早かれどうせ顔は合わせなければいけない。
そんなことは分かっている。
それに、こんなに考えているのは私だけ。
朋にとっては告白は日常茶飯事で、私のことは幼馴染ってだけで他のこの様にはいかなかっただけ。
それだけ、たったそれだけ。
でも、それだけがこんなに苦しい。