気付いてよ
だってこんなに後悔してる自分がいる。
こんなに胸が苦しい自分がいる。
なんか、頭が痛くなってきた。
準備運動しないで全力疾走なんてしたから?
若さって当てにならないな。
さすがにもう走れなくて、私はポケットの中でまた鳴り出した携帯に手を伸ばした。
ろくにディスプレイも見ないで通話ボタンを押す。
「は…ーい。」
『あ、奏?』
電話の主は真那だった。
『あのさ、今平気?なんか、最近奏ちょっと変だったじゃん?だから、気になってさ。』
「あ、はは。だ、大丈夫…っく」
友達からの予想外に優しい電話に私の中で何かがプツンと切れた。
『ちょ、か、奏?大丈夫!?ねぇ、今どこにいるの?』