はちみつハニー





無意識に、足をバタバタさせてしまう。ふわふわしてこの歳にもなってこんな感覚。



あまりに地面との高さの差があって落ち着かない。いや落ち着いたら逆に嫌なんだけど。




…あまりに、この人の背が高いから。




「…っわ、あ、ありがとうございますっ!」


「いや、別に何もやってないし」


「いやいやいやそんなご謙遜を…、たくさんご迷惑をおかけしまして…」



やっと地面に足が着くと、今度は安全性は抜群だ。何か間違えなければもう転ぶことは無さそう。


は、として。とりあえず感謝と謝罪を何度か繰り返した。



「すいません本当に…でもありがとうございますっ!」


「…。…いや、言い過ぎじゃないすか」


「え、まじですかっ」


「え、はい」


「「…………。」」




…な、なんだこのやり取り。

わけわからなくなってきた。一旦落ち着こう。うん、そうしよう落ち着け私。





< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop