はちみつハニー
え、まって。
なにこのつらい状況。しかも高校生で迷子って。
(私ってこんなに方向音痴だったっけ…?)
辺りを見回せば、何だか住宅地から離れた閑散とした道に出てきてしまったみたい。人すらいない。殺風景ってこういうことなのか。
って、いやいや今はそれどころじゃない。
そんなのんびりレポートしてる場合じゃないんだって。
腕時計を見て時刻を確認すれば、もう15時。このままのペースだといつ着けるかわからない。
「…もう、さいあくだ…」
早速、問題発生です。
おかあさんおとうさん、ついでにお兄ちゃん。
大変です。
“学校”にたどり着けません。
意味もなくうろうろ辺りを彷徨っていると、道の遠くの方にあったお店を、発見した。
あそこにお店がある。
もしかしたら、人がいるかもしれない…っっ!!!
そう思って、お店に向かおうと足を出そうとしたとき。
そのお店から出てきた、ある一人の男性の後ろ姿が目に入った。