はちみつハニー





一瞬、何がなんだかわからなかった。



坂道の勢いと春風に加勢された私のスピードは、過去最高なんじゃないかと思うくらいの速さを保っていて




…急ブレーキが掛けれませんでした。




「…い…っいてて…っ」



すごい転んだ。やばい、痛い。膝とか擦り剥きまくってる気がする。



さ、坂道め…!勝手に私のスピードに加勢しやがって!誰も求めてないよあんたの加勢なんか!久々に思いっきり転けちゃったじゃん…!





「…っつー…、あ、の。」



…え?





すぐ、真横から聞こえた痛みに耐えるような声。



よく考えたら思いっきり転んだはずなのに痛いのは膝と地面についた手の平のみ。

いや、もっとよく考えてみよう。




―――わたし、だれのうえにのってるの…???



そう理解した瞬間、サアッと血の気が引いた気がした。






「っうぎゃ!!!」

「ちょっ、」





ハプニングが起こりました。




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