ショートケーキ
「花音様、朝食の時間でございます。」

昨日と同じメイドが、あたしを呼びにきた。

昨日と同じ道を辿りながら、食堂へ向かう。

そして、昨日とまったく同じセリフを言い、メイドは去っていった。

・・・正直、邪魔。

「おはよう花音。よく眠れたか?」

『襲われかけて眠れませんでした。』

なんて言えない・・・。

「・・・ま、まぁまぁ。」

と、曖昧に答えておいた。

「そうか。では、頂こうか。」

今日の朝食も、白米にわかめの味噌汁、焼き魚に酢の物・・・と、庶民向けの朝食。

うまいんだけど、フツウ、こういう家ってさぁ。

焼きたてのパンに、自家製のジャム、コーンスープにグリーンサラダとか・・・。

そういうんじゃない???

気付けば、あたしの朝食は終わっていた・・・。

「花音の食べっぷりは見ていて気持ちいいな。」

と、おとんはニコニコ笑っている。

「ど・・・ども。」
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