--ツミビト--月蝶の舞う夜に
瑠璃呪流編--黄泉送離の章--「幕開け」--
薄暗い道を僅かな街灯が照らし、不気味な道を作り出していた。
既に夜の戸張は完全に空を隠し、月は堂々と輝いていた。
乗用車の後部席に乗る俺は外の月を見ながらゆっくりとあくびをした。
運転手
『椎名刑事、眠いなら寝ても構いませんが…目的地はその橋を越えた所ですよ。5分も寝れませんよ。
運転手は軽く笑いながらハンドルを回した。
椎名…とは、俺の名前
「椎名 純一」東京都の警視庁で一応、刑事をやっている。
椎名 純一
『そうか…もう着くのか。
数時間前には東京を出た、長い道のりと考えていたが仮眠や景色を見るだけで以外にあっという間だった。
すると隣に座る髪の長い女性が景色を見るのを止めてこちらに顔を向けた。
髪の長い女性
『椎名さん〜椎名さん、見てください。月がとてもよく見えますよー。
今 声をかけてきた女性は俺と同じ、警視庁の刑事の
「如月 卯月」まだまだ若い新米だが立派な刑事である。
俺たちの目的地は「華魅村」と呼ばれる村、一見すると警視庁の刑事が何故、こんな辺境の村に来ているか。
事の発端は4日前の事件だった。