--ツミビト--月蝶の舞う夜に

如月 卯月
『私たち…あまり歓迎されてませんねぇ。


先程の男は仮面で顔は分からないが、おそらく嫌悪な目で見ていたであろう。

藤原 学
『この村はよそ者をあまり歓迎しないんですよ、掟もありますし…。

椎名 純一
『掟…?掟があるんですか?

しまった。あからさまに口を滑らした顔で藤原は少し考えたが仕方なさそうに口を開いた。



藤原 学
『え…えぇ、あまり外部の人間に係わり合うのは掟に反するんですよ。

如月 卯月
『へぇー、やっぱり都会と違いますよね。

藤原 学
『ほら、あの建物…あそこに交番がありますよ。


藤原が指した方向に薄暗い明るさだが交番の象徴が見てきた。


藤原 学
『お二人が滞在してる最中は私は休暇させていただきます。早めな夏休みですかな、ははは。









交番の前に来ると藤原はポケットから鍵を出し、椎名に渡した。

藤原 学
『交番の鍵です。まぁ交番に入る泥棒なんていませんがね。


椎名 純一
『分かりました。今日からお世話になります。

椎名と如月も頭を下げた。


藤原 学
『こちらこそ、今度は都会の話でも聞かせてくださいね。
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