--ツミビト--月蝶の舞う夜に
椎名 純一
『なるほど…この村に殺人集団は本当にいるみたいだな。
如月 卯月
『椎名さん!!そんな悠長な話ではありませんよ!!大事件ですよ、すぐに本庁に知らせないと!!
卯月が近くの受話器を取って番号を押しはじめた。
しかし、その番号を押す手を椎名が抑えた。
如月 卯月
『…!? 椎名さん…何するんですか!!
椎名 純一
『やめておけ…今、連絡すればこのリストに俺達の名前が載るぞ。
如月 卯月
『…え?
如月は耳に当てた受話器を机に置いた。
椎名 純一
『土手の男、電信柱にいた奴は俺達を監視してたんだ…下手に動けば殺される。
如月 卯月
『下手すれば電話も聞かれているかも…って訳ね。
無言で椎名が頷いた。
当たり前の話、人を殺すぐらいの連中の秘密が外部に漏れれば終わりだ。全力で口封じにくるだろう。
それに俺達は『警察』だ。より監視を強くするだろう。
椎名 純一
『俺はとりあえず内容を移す。本当は押収したいんだが…明日、誰か来て確認されたらおしまいだからな。
如月 卯月
『じゃあ、お願いね…私は明日に備えて睡眠させてもらうよ。
椎名 純一
『ああ、お疲れ様。