--ツミビト--月蝶の舞う夜に


その後、俺達は六十院家に向かって歩いているうちに興味深いことが分かった。


1つは全員が全員、俺達を無視してはいないこと。

あのあとも何人かすれ違い、挨拶をした。先程の婦人のように無視する人もいれば、普通に挨拶を返す人間もいた。


無視する人間の特徴は9割はマスクを着用をしていた。

逆に挨拶を返す人間は誰もマスクを付けていない。


そして2つ目は子供である。

休日は外で遊ぶ子供は沢山いる。挨拶をした子供は笑顔で返してくれた。

どうやら子供はこちらをどうと思っていないみたいだ。







如月 卯月
『ふむふむ…つまり村の大人が私たちを嫌うみたいね。

椎名 純一
『それもマスクを付けた村人の連中がな。

本当に謎しか無い村だ。
一村を歩くだけで六十院家に聞きたい話が増える。




???
『おぉ…お二人さん。おはよう!!


向こう側から聞き覚えのある声が聞こえた。

男はだらし無く警察の制服を来て、こちらに手を振った。


華魅村警察、部長の『藤原 学』の姿だった。
< 20 / 67 >

この作品をシェア

pagetop