--ツミビト--月蝶の舞う夜に
周りに重い空気が流れる。やじ馬の村人も逃げるように散っていった。
椎名 純一
『失礼だか…貴方は?
和服の男
『…私はこの村の村長 「六十院 繁孝」と申す。隣は私の娘「六十院 椿」だ。
六十院 椿
『始めまして。
少女は二人に頭を下げる。
六十院 繁孝
『話は戻すが…この村では外部の人間との接触は極力避けたいのだ、君達だけでも困るのにさらに増えては困るのだ。
繁孝は二人を睨みつける、まるでライオンが獲物を見る目で。しかし、椎名たちも引き下がる訳にはいかなかった。
椎名 純一
『…お言葉だが村長さん。俺達は刑事。その気になれば無理矢理でも仲間を連れて来ること出来るんだぜ。
六十院 繁孝
『やってみろ…どうせ出来ないがな。
嘲笑うように繁孝がその場を去ろうとした。
如月 卯月
『待ってください!!
如月が言うと繁孝は足を止め、首を横に向けた。
如月 卯月
『繁孝さん…この村の殺人集団…ってのはご存知ですか?
六十院 椿
『………………!!
六十院 繁孝
『そんな物騒な話は知らん。
繁孝たちはそう言うと二人の前から去った。