--ツミビト--月蝶の舞う夜に
ガチャ………
如月 卯月
『駄目みたいですね…。
椎名 純一
『悔しいがあの村長の言う通だ、法外処置だそうだ。
法外処置など普通ならありえない話だ。まして、田舎の村に出るなど不可解な話だ。
椎名 純一
『如月、この後は二人別れて捜索しよう。午後7時までにここに戻る…で。
椎名が時計に指を指した、時間はちょうど12時を刻んでいた。
如月 卯月
『じゃあー先輩は左側の新造住宅側を、私は右側の華魅神社あたりを捜索しましょう。
「華魅村」は俺達が来る時に使った橋を境界線に二つの地区がある。
左側は「新造住宅側」
一比較的、新しい住宅地で村人以外の人間が集まる地域
右側は「華魅神社側」
一華魅神社を筆頭に古い建物が多く、村の9割の村人はここに住む。また村長、繁孝「六十院家」もこちら側にある。
椎名 純一
『分かった。だけど、注意しろよ如月。明らかに「華魅神社側」の方が危険だ。
如月 卯月
『お任せ!!暗くなったらすぐに戻るわよ。
二人は交番を出て、鍵を閉めた。
椎名 純一
『じゃあな、気をつけろよ。
如月 卯月
『お互い様…ね。
そう言うと、二人は別々の方向に足を進めた。