--ツミビト--月蝶の舞う夜に


それは何百年前の話
一この村に住む人は人間であって人間では無い。

ここに住む人間は冥府の世界、つまり「地獄」の入口を守る守護者だった。


そのために明治時代になっても世俗の文化は知らない、陸の孤島と言うべきか。



だが、時代の流れか村に住む青年が世俗に飛び出た。そして世俗の文化を村に持ち帰った。

それを見た閻魔大王は怒り、村人全員に呪いをかけた。


その呪いは世俗の臭いに敏感になる、それだけだった。

だが、閻魔大王はある条件を村人に出した。

『臭いを嗅ぐのは許す。しかし、それを口に入れたら地獄よりも苦しい地獄にそいつを送る。』


簡単な話だと村人は安心した。しかし、臭いはあまりにも辛く、甘い臭いだった。


その臭いは食欲・性欲・睡眠欲の全てを刺激する。最高に素晴らしい臭いだった。



次第に村人は世俗の人間を襲うようになり、村長であった「六十院 弦老」はこれ以上の被害が出ないように独自の自治会を作った。


村人を監視し、被害を最小限に抑える監視隊
『封花隊』

事件が世俗に漏れないように違反者を冥府に届ける
『姫百合』


そして、違反者に処罰を与え、閻魔大王の使いとして村を守る者
『死神様』
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