--ツミビト--月蝶の舞う夜に
如月は拳銃を天野に向けた。
何をやっているんだ?犯罪者でも無い人間に銃を向けるなんて。
…そんな自問自答を繰り返した。
だが、如月の頭の中は怒りの感情が込み上げた。
天野 雫
『あれ…?そんな物騒な物向けないでくださいよ。
分かっている、一般人に銃を向けるなんて知られたら懲戒免職はおろか、殺人未遂だ。
如月 卯月
『ここにいる人は死にたくて死んだ訳じゃない…死者を愚弄しないでください!!
声を荒げた如月をただ天野は見ていた。
天野 雫
『…確かにこいつらも死にたくて死んだ訳では無い。でも…あまりにも大き過ぎた「罪」なのよ。
如月 卯月
『…どういうこと?
天野に向けた拳銃をゆっくりと下げた。
天野 雫
『ここで質問、なぜ今の世の中は「人殺し」が最高に重い罪なのか…貴方分かる?
如月 卯月
『…それは…その…。
聞かれると以外に分からない質問である。
普通は物心つけば勝手に「やっては悪いこと」として頭に入っている。
天野 雫
『ふふふ、別に無理して答えなくても良いわよ。じゃあ…答え、それは「生物の輪廻」を崩すからよ…。