--ツミビト--月蝶の舞う夜に
瑠璃呪流編--黄泉送離の章--「語り」--
如月 卯月
『…………………っ!!
天野 雫
『ふふ…冗談よ。
そう言うと天野は如月から距離を空けた。
天野 雫
『でも…私が「蝶」だったら貴方もめでたく「蝶」の仲間入りよ……まあ、昼間は比較的だけど自制心が働くらしいけど。
如月は胸に手を当てて安心した、話に夢中で全く警戒していなかった。
如月 卯月
『…最後に1つだけ…教えてください。
天野 雫
『何かしら?
如月 卯月
『…「蝶」は人間…なんですか?それても…怪物?
その時、笑っていた天野の顔が急に険しくなった。
天野 雫
『さあ…その人しだいの考え方で意見は分かれる…でも…「生物の輪廻」を汚す「蝶」は……消えてしまえばいい。
そう言うと天野は如月の横を通って神社から去ろうとした。
天野 雫
『貴方たちも気をつけなさい…「蝶」は貴方の身近に常にいるのよ、油断すると…死んでも死にきれないわよ。
如月 卯月
『え…あっ…ちょっと…。
如月の話を無視して、天野は神社から去った。
如月 卯月
『………なんなのよ…。
神社の門に大きく「月蝶」の印が全てを見透かしたように堂々と羽ばたく。