--ツミビト--月蝶の舞う夜に


椎名 純一
『………なんだこれ。


確かに「死体」ではあった。だが、椎名が捜す者では無かたった。


何か動物のような生き物の死体。


椎名 純一
『う…臭い。腐乱?


子供B
『…これね…猪だよ、多分…夜に水を飲みに来て足滑らして死んだよ…夏は苔多いから。

鼻をつまみながら子供たちが椎名に説明をした。


着物の女の子
『全く…暑い時期に死ぬとすぐに腐るから…川が汚くなるわ…。

着物の男の子
『時音、…その言い方はよくないぞ。


周りの子と比べて着物の二人は何か気品と威厳を感じた。

だが、同時に椎名は繁孝の事を思い出してしまった。



時音
『五月蝿い…時雄!!私は事実を言ってるだけよ。何が間違っているの!?


険悪なムードになってきている。名前と服装からこの二人は家族のようだ。


子供C
『二人共…やめなよ。

子供B
『そうだよ、すぐに喧嘩しないでよ。


他の二人の意見も無視して時雄と時音は喧嘩を続けた。

子供A
『…お兄さん、大丈夫だよ。あの人くれば…すぐ終わるから。

椎名 純一
『あ…ああ。



しかし、椎名の頭の中に何か感じていた。まるで、なかなか取れない汚れが取れたような…そんな気分になっていた。





???
『やめなさい、二人共。周りの皆様に失礼よ。


椎名の後ろから別の少女の声が聞こえた。


そして、椎名は聞き覚えのある声だった。



着物を来て、凛とした態度。父と同様な威厳を持つ
一『六十院 椿』の姿
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