--ツミビト--月蝶の舞う夜に

瑠璃呪流編--黄泉送離の章--「強襲」--



この後も椎名な調査を続けたが…有力な情報は無かった。


だが椎名は別の事で頭がいっぱいだった。




椎名がこの村に来た理由
「佐々木 葵の事件の真実」
「華魅村の不可解な話」


これは先程の椿の話で全て解決していた。

葵を殺したのは「六十院 椿」…おそらく臭いに耐えながら、わざわざ葵を殺しに行ったんだろう。

そして華魅村は特異体質の人間が住む村

世の中の均衡を保つために人殺しは仕方ない………それが現在の状況だった。



椎名 純一
『くそ!!何が正しいのか正しく無いのか…分からなくなって来た。


既に夕方、時間は既に18時を越していた。

腕時計を見て椎名は如月との約束を思い出した。


『7時には交番に戻る』



椎名 純一
『しまった…これじゃあ間に合わない。


椎名は来た道と同じ道、つまり土手の上にいた。土手は大きく住宅側から離れるために土手の道は遠回りだった。


何故、わざわざ遠回りしていたのは理由がある。

俺は最初は「封花隊」が殺人集団だと思っていた。だから常に周りが見えるように見渡しがよい土手を選んだ。


しかし、殺人集団は俺達を襲わない。つまり遠回りする理由はない。


椎名 純一
『仕方ない…近道するか。


椎名は道を短縮するために土手を下りた。
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