--ツミビト--月蝶の舞う夜に


車は橋の中間で止まり、俺達は車から降りた。


椎名 純一
『長い距離を運転していただき、ありがとうございました。

深々と椎名と如月は運転手に頭を下げた。


運転手
『あぁ…それはいいんだが…。

運転手は何かを言いたそうな顔で見ていた。



運転手
『…ここまで来たけど、この村…黒い噂が絶えないんだ。

如月 卯月
『黒い噂…と言うと?


運転手
『噂では…この村には殺人集団がいて、月が満月の時に人を襲うらしいよ…現に近くの町の子供はこの村に来て行方不明になったらしい…。


話を書くと、椎名は胸ポケットから警察手帳を出し、ペンを構えた。


椎名 純一
「もう少し…詳しくお願いします。


運転手
「確かに…名前は春海ちゃん…そうだ!!『九川 春海』だ。今は…17歳かな。行方不明になったのは12歳だから。


九川春海、5年前…と椎名は警察手帳に鮮明に書いた。

如月 卯月
「他には何かありますか?

運転手
「あとは…村に春海ちゃんの大切なバックが落ちてた…それぐらいかな、私が知ってるのは。


椎名 純一
「ご協力、ありがとうございます。

手帳を納め、手荷物を持ち始めた。



運転手
「あんたらも気をつけなよ…命あるこそ人生だ。こんな村で無くすなよ。

椎名
「…えぇ、分かりました。
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