--ツミビト--月蝶の舞う夜に


深夜の道はお世辞にも不気味としか言えない。既に時間は11時を越そうとしていた。



そして、空に浮かぶ『紅神月』は神々しいを示していた。


椎名 純一
『この村に何があるんだ?少なくても楽しみは無いな。

如月 卯月
『元より…刑事の仕事に楽しいはありませんよ。

仕方なさそうな顔で二人は橋を進んだ。村の入口の近くで煙草を加えた中年の男がいた。


こちらを見つけて、煙草を足元に捨てて踏み潰した。



椎名 純一
『えーと、藤原さん…ですか?

中年の男
『えぇ、ようこそ…「華魅村」に。ご察しの通り…私は「藤原 学」と言う者です。華魅村警察の部長を務めております。


藤原 学は手を差し延べた。

椎名 純一
『こちらこそ、お願いします。

軽く頭を下げて、椎名も手を差し延べた。

そして同じように如月とも挨拶をした。




橋を渡り、右側の土手を歩き始めた。夜中の真っ暗な土手を歩くなど都会では体験出来ない。


藤原 学
『椎名さん達は交番を空けますのでそこを寝食に使ってください。

新しい煙草を加えてライターを弄った。

椎名 純一
『藤原さん、少々…聞きたいことがあるんですが…。
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