制言師は語らない
「カーンも構えなさい。思ったより、間合いが長いわよ」
「う、うん」
ぼくの剣は雷神流独特の肉厚で両刃の両手剣。鍔元から少しだけ刃の無いブレードがあり、その先から両刃のブレードが伸びている。
この重い両手剣を稲妻の如く高速で操るのが、雷神流の特徴なのだ。
背負っていたその剣を剣止めから外し、中段に構える。
「いつも思うけど、重くないの?」
「慣れちゃえば重くないよ。それに、見た目より軽いんだよ」
試合前に余計な事を聞くなぁ。
「それなら平気ね、最初の一撃で決めちゃいなさい」
「うん」
ぼくもそのつもりだし、相手もそのつもりだろう。居合は第一撃で決める技と聞くし。
「伊玖麿よ、制言師の言葉に惑わされるでない。いつもの通り、自分の戦い方をするのだ。制言師はその言葉で自分の意を相手に押し付けてくる」
「はい、師匠」
それって、制言師はわがままって事か……よく判ってるな。
「カーン、余計な事は考えないの。相手の剣はまだ鞘に入ってるんだから、あなたの方が有利よ。いっちゃいなさい」
「剣に関しては素人じゃな、制言師。ゆけ、伊玖麿、降神流の抜刀速度を見せてやれ」
ぼくは、フォウの声に、伊玖麿は乱厳の声に反応して、すり足でお互いに間合いを詰めた。
「う、うん」
ぼくの剣は雷神流独特の肉厚で両刃の両手剣。鍔元から少しだけ刃の無いブレードがあり、その先から両刃のブレードが伸びている。
この重い両手剣を稲妻の如く高速で操るのが、雷神流の特徴なのだ。
背負っていたその剣を剣止めから外し、中段に構える。
「いつも思うけど、重くないの?」
「慣れちゃえば重くないよ。それに、見た目より軽いんだよ」
試合前に余計な事を聞くなぁ。
「それなら平気ね、最初の一撃で決めちゃいなさい」
「うん」
ぼくもそのつもりだし、相手もそのつもりだろう。居合は第一撃で決める技と聞くし。
「伊玖麿よ、制言師の言葉に惑わされるでない。いつもの通り、自分の戦い方をするのだ。制言師はその言葉で自分の意を相手に押し付けてくる」
「はい、師匠」
それって、制言師はわがままって事か……よく判ってるな。
「カーン、余計な事は考えないの。相手の剣はまだ鞘に入ってるんだから、あなたの方が有利よ。いっちゃいなさい」
「剣に関しては素人じゃな、制言師。ゆけ、伊玖麿、降神流の抜刀速度を見せてやれ」
ぼくは、フォウの声に、伊玖麿は乱厳の声に反応して、すり足でお互いに間合いを詰めた。