制言師は語らない
「大丈夫かい、フォウ。立ってられる?」
「大丈夫じゃないわ。舞言なんて使ったから頭の中パンクしそう・・・」
「ちょっと、フォウ?」
彼女の身体が正面から倒れてくるのを受け止める。
ふんわりした香りが鼻腔をくすぐる。フォウの匂いだ。
「じゃあ、あとはよろしくね、カーン・・・」
「よろしくって、フォウ、フォウったら」
既に彼女はぼくの腕の中ですやすやと寝息を立てていた。
なんとも言えない嬉しい状態だけど、一つ困ったことがあった。
「ぬぬ、か、身体が・・・」
「師匠・・・おい、雷神流、師匠を元に戻せ」
そう、乱厳さんはまだ動けずにいた。
「いやね、判ってるんだけどさ・・・フォウ、起きてよ、試合終わったんなら、乱厳さんを元に戻してあげないと・・・」
だけど、制言師は何も語らず、幸せそうにぼくの腕の中で眠り続けたのだった。
END
「大丈夫じゃないわ。舞言なんて使ったから頭の中パンクしそう・・・」
「ちょっと、フォウ?」
彼女の身体が正面から倒れてくるのを受け止める。
ふんわりした香りが鼻腔をくすぐる。フォウの匂いだ。
「じゃあ、あとはよろしくね、カーン・・・」
「よろしくって、フォウ、フォウったら」
既に彼女はぼくの腕の中ですやすやと寝息を立てていた。
なんとも言えない嬉しい状態だけど、一つ困ったことがあった。
「ぬぬ、か、身体が・・・」
「師匠・・・おい、雷神流、師匠を元に戻せ」
そう、乱厳さんはまだ動けずにいた。
「いやね、判ってるんだけどさ・・・フォウ、起きてよ、試合終わったんなら、乱厳さんを元に戻してあげないと・・・」
だけど、制言師は何も語らず、幸せそうにぼくの腕の中で眠り続けたのだった。
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