SICK&TIRED
パタン
携帯を静かにとじて
「行くね、ありがとう」
そう言うとドアに手をかける
「さき」
右手をふとつかまれた
ドキリとする
「携帯、見せて」
アタシはまことの顔を見返した
複雑な表情を浮かべて、アタシと携帯を交互に見ている
「なんで?」
そんな事を言えば余計に疑われるに決まってる
なのにそう言うしかなかった
だって
本当に
見せられないから
今日の受信メールはひたすらとうまからのばかり