SICK&TIRED



「俺を怒らせるな」



アタシは数秒考えた後、ゆっくりと携帯をまことに手渡そうと腕を伸ばした瞬間



ドンッッ


アタシが手をかけていた助手席側のドアが揺れた


「キャ!」


あまりに驚いて叫び声をあげて振り返った


ガラスに手をついて中をのぞいているあみ


「あみ!!」


あみがドアを開けるとアタシの腕を引っ張った


「行こう、さきちゃん!」


車から落ちるように降りると、あみがドアをサッサと閉めてしまった


「え!」


驚いているうちにあみがアタシの手を取り走り出した








少し走ると息があがる

「あみ、どうしたの?」


途切れ途切れの声でそう言った



「別に、早く買い物したかったの」



アタシは予想外の回答に片眉をあげてあみの顔を見つめた

A駅前にできた新しいショッピングモールへと入っていく


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